上田さんをきっかけにどんどんTULIPの音楽にのめり込んでいった私はある日コンサートのポスターを見かけます。 “'74.2.14TULIP ON STAGE”・・・彼らが私の町にやってくる!私の心ははやりましたが何しろお小遣いもままな らぬ義務教育中の身。「行きたい」と親に申し出てはみましたがあえなく撃沈。コンサートへ行く事が叶わないのな らせめて行った気になろうと思って無け無しの小遣いをはたいて初めて買ったLPが「LIVE ACT TULUP」でした。
 諦めるつもりで買ったはずのそのLPが実は私の「コンサート行きたい!!」に拍車をかけてしまいました。テレビでは絶対聞く事のできない本当の彼らの姿をそこに見つけてしまったからです。
そして延々「行きたい!」といい続け親が根負けしてコンサートへ出かける許可が下りたのがコンサートの1週間前でした。

 そして私は「コンサート」という魔物にとり付かれてしまったのでした。まさにドツボ!この日がなかったら今の私はなかったかもです。ほんと。


'74. 2.14 初めてのコンサート

 それは姫野さんがいないというアクシデント付きでした。姫野ヴォーカルの曲はすべて財津さんがそしてコーラスパートは上田さんがやるといったコンサート。

 始まりは「映画」から。ステージに設置された映写用の幕を見ていったい何が始るのかしらと思ったものです。そしてそれが終わるとおもむろにメンバーが出てきて各自の位置にスタンバイしました。そして財津さんの「今日は急病で姫野が来ていません。十分な演奏ができませんがご了承ください」のコメントからライブが始りました。
 音響の技術も現在のようなわけではありません。たった4人が奏でる「音」ただそれだけの世界です。
貧乏中学生だったものでLPさえ満足に買えなかった私はずっと聞きたいと思っていた「千鳥橋渋滞」をなんと財津さんのヴォーカルで初めて聞いてしまったのでした。「心の旅」や「銀の指環」など最近では財津さんが歌っても不思議ではありませんが、世間的には「ヴォーカル=姫野さん」だった当時それを財津ヴォーカルで聞けたというのが結構自慢だったりします。
 そして、今では押しも押されぬチューリップのスタンダード「青春の影」もこの日初めて聞きました。まだ「TAKE OFF」発売の1ヶ月以上も前でした。この曲でコンサートを締めくくりました。今でも私の「青春の影」はこの時のライブのものが全てです。

 それ以上に私の印象に残っているのがやっぱり上田さん。初めて聞く上田さんのおしゃべりの声でした。「わぁ、上田さんてこんなふうにしゃべるんだぁ」テレビじゃ絶対見る事のできない上田さんが見えたのがとにかくうれしかった。

 生まれて初めてのコンサートでこう いうのが見られたというのはとても貴重だったと思ってます。そしてこれが私のファン歴にかなり影響を与えるコンサートでもありました。

 そしておまけ。「出待ち」という言葉も知らなかった時ですが、偶然コンサート会場でであった中学の同級生に誘われて「楽屋の外」へついていきました。
 そこにいたもう1団体の方に「財津さんを呼んでみませんか?」といわれるままに総勢8名で「財津さん」コール。そしたらなんと財津さんが窓から顔を出してくれたのです。「また絶対来るからなぁ!!」と財津さん。気をよくした私たちは次々とメンバーの名前を呼びました。そしたら安部さん、吉田さんまでが顔を出してくれて手を振ってくれたのです。上田さんといえば…残念ながら顔を出してくれなかった。(;_;)後から聞いた話だとちょうどその時私の友人のいとこと話し込んでおられたとの事。ちょっと悔しかった思い出です。
この時から私のミーハー人生が始ったのでした。


'75. 1.24 アンコールコンサート

 このコンサートは「5人のTULIPが見たい」と有志が署名を集めて実現したコンサートでした。受験生だったにもかかわらずその署名運動のホンの末端に荷担していた私でした。「楽屋入り」というご褒美には預かれませんでし たが最初で最後の「最前列ど真ん中」で見る事ができました。
恥ずかしながら私の当時の日記から・・・(今とまるで変わってないかもしれない(^^ゞ)

 あーあ、やっとTulipがみれた。楽屋に入れる予定だったのに駄目になっちゃってついてないなぁ。でも、財津さんがさ私に向かって「拍手したくなる気持ち分かりますよ」なんて言うんだよ。うれしかった。(注:「僕のお嫁さん」をやる前に財津さんが「女は顔やスタイルじゃないんだ」みたいな事を言ったんです。それで拍手をしていたら財津さんが私に向かってこういったわけで…
 それから、吉田さん、安部さんとも目が合ったよ。私が笑ったら二人ともニコッてしてくれて感激!(注:私は一番前でいったい何を見ていたのだろう??
 一番最初に「夢中さ君に」をやったときに途中で上田さんのヴォーカルマイクが外れてかかりのおっさんがのこのこ出てきてなおしてたのが気に入らない。その後上田さんはマイクを後ろにやっちゃって自分がコーラス入れたりするときだけさっとマイクを持ってくるの。そのしぐさがまた素敵なんだなぁ。後ね、マイクの高さを調節してるのかやや顔が上向きになるくらいの姿勢でマイクに口をつけるようなしぐさを4,5回繰り返してるの。カワイイ…注:げっ、何と恐れ多い事を書いてるんだ、私って
 あと、「無くした言葉」のときコーラス、ドラムがほんの少し最後に入るくらいで後はじっとしてた。全然動かないそれがかっこよかった。なんだかこっちのほうを見ているように見えるんだけどサングラスで視線はわかんないしなぁ。そんなはずないよね。あとは、相変わらずきょろきょろしてる。で、ときどきニヤニヤもしてる。ステキ!(注:やっぱり上田さんばっかり見てたのねこの頃から…
 あ、一つ忘れてたぁ。安部さんものすごくかっこよかったよ。特に「明日の風」のときのエンディングで左手で弦を引っかきながら右手でだんだんギターのボディーを持ち上げてめいいっぱいあげるだけあげたらさっとおろすの。そして後ろに下がっていって同時に今度は姫野さんが前に出るの。それがすっごく感じいいんだなぁ。言葉じゃうまく表現できないのが残念!(注:これこれ!これなんです。鳥肌モノの安部さんと姫野さんのギターの共演。もう一度聞きたい!
 みんな乗ってくれたみたいで最高!かっこよかったぁ。

 それでもって、当時の服装チェック!(^^ゞ
 財津さん、白のスーツに白の蝶ネクタイ。吉田さん、黒のスーツに白のワイシャツ、赤の蝶ネクタイ。姫野さん、黒のベストスーツに白のワイシャツ、黒の蝶ネクタイ。安部さん、赤と白の混じったシャツに白のパンツ。上田さん、白のシャツに黄色のスカーフを首に巻いて黒のパンツ。
 だったそうです。(^^ゞ


'75.10.30 LIVE ACT TULIP '75TOUR

 前回アンコールコンサートで味を占めた私たち。再度自分たちの手で彼らのコンサートをと署名を集めてたところに突然舞い込んだ全国ツアーのLIVE。チューリップのコンサートが見れるのはうれしかったんだけど集めた署名は無駄 になり、奇麗事では済まされない「大人の世界」を垣間見る事ができた出来事でもありました。
 それでも努力のかいあって(??)前から2番目のほぼ中央で見る事ができました。
またまた、当時の日記よりです。笑ってやって。

 LIVE ACT TULIP!最高、もういうことない。
 Openingはいつものとおり「夢中さ君に」後順番覚えてないけど「私のアイドル」「歌は生きている」「君の鼻毛は長い」「セプテンバー」「もしも僕が」「走れ!ムーン号」「ぼくがつくった愛のうた」「どうして僕は淋しいんだ」「千鳥橋渋滞」「心の旅」「人生ゲーム」「ハーモニー」「たえちゃん」「青春の影」「愛のかたみ」「あのバスを停めて」他新LPより4曲(このLP12月1日に発売で題は「日本」)まだある「明日の風」あと忘れた。新LPの曲みんないい曲だよ。「あこがれの東京」だったかな(注:「あこがれ・花の東京」がほんとのタイトル)財津さんギターひかないで身振り手振りしてたの。その時私のほう見てくれたみたいだったからVサインをしたら財津さん3本指を出したの「アレ?」って思ったらちょうど歌詞が三月ってとこだった。でも愛敬のある顔をしてくれたよ。うれしかった。安部さん前から見ると冷たくなった。 嫌だ。(注:この時確かに安部さんは恐かった。そんな記憶が…)上田さん、すごくのってた。あんな にのってた上田さん初めて。体が左右に揺れて、ドラムを力いっぱい叩いてる。
  「人生ゲーム」のとき客席にマイクを向けて歌ってくれってジェスチャー。お客さんもちゃんと答えて会場中で大合唱。よかったすごく。みんなが歌うと財津さんが「よろしい」「グー」とかOKのサインだすとかするの。その時がステージ、客席が一体となってたみたい。
  上田さんがねBeatlesの「Birthday」歌ったよ。初めて聞いた、上田さんが英語の歌を歌うなんてさ。あと財津さんがPILOTの「MAGIC」うたったよ。
 それからMC。人間の欲望の話を財津さんが始めて「食欲、性欲、睡眠欲…他に何がありますかねぇ」って言ったときデコ(私の隣に座っていた友人です)が「海水浴!」って言ったの。そしたら財津さん「海水浴…あんたおもしろいこというねぇ」ってこっちを指差して言ってくれた。でもって食欲は「言うまでもなく…」吉田さんで性欲が安部さんで(安部さんは違う!としきりに手を振っていた)睡眠欲が姫野さんでそれで上田さんが海水浴になっちゃった。「理由はありませんけど」っていったら、会場おおうけでした。上田さんの笑い声も聞こえたよぉ。
 メンバー紹介のとき姫野さんのときにみんなが「姫野君!」「姫野君!!」って叫んだら「まぁまぁまぁ」だって。あ、上田さんはちゃんと立って礼したよ。
  もう一つ思い出した。安部さんと財津さんが「長髪は飽きたから坊主にしよう」と思って二人だけじゃかっこ悪いから5人全部でしようと説得したけど上田さんは「坊主にサングラスは似合わないからいやだ」って言って姫野さんは「童顔だからいやだ」って言って吉田さんならと思ったら「もてなくなるからいやだ」ということで3人共に断られたなんて話をしていた。いやだぁ、坊主なんてそんなの。

 今日は2部制。ところが1部が終わって幕が閉まるときどん帳が照明のやぐらに引っかかって倒れてしまってみんな「キャァーー!!」姫野さんが一番近くにいたもんで大丈夫かと心配してた。たっちゃん(姫野さんファンの我が友人)なんて泣き出しちゃたモン。あとで財津さんがお詫びを言ってたよ。その後皮肉でか「姫野君はのんびりしてて、上からなんかおっこちてきてものんびりしてまして」だって。(注:これがあとあと姫野さんが一番印象に残ってる出来事として雑誌のインタビューで答えていた「姫野さん失神騒動」のステージだったのです。後になって知ったのですが、やはりこの時やぐらは姫野さんを直撃していて下敷きになってしまったらしいです。それでも何事もなかった様に2部のステージがありました。だから私たちは「大丈夫だったんだ」と安心していたのです。でも考えてみるとこの日アンコールがありませんでした。もしかしたらこのことが原因だったのかなぁ

 でもって、またまた服装チェック!
 第一部:財津さん、肩に水色の切り替えのある白のシャツに青のパンツ、吉田さん黄色と茶色の縦ストライプのシャツにサスペンダー付きのGパン。安部さん、赤地に白の風景がかいてあるシャツにGパン上田さん、衿回りだけが白い水色のシャツにドラムの陰でよく見えな方けど多分黒のパンツ。姫野さん、よく覚えてないけどパンツはピンクだったかなぁ。
 第二部:財津さん、衿が白い茶色のシャツ、黒のパンツ。吉田さん、紺と白の縦ストライプのシャツ黒のパンツ。安部さん黒一色でシャツに赤で刺繍がしてある奴。上田さん、白のシャツに黒のパンツ。姫野さん、真っ白。(写真を見ればわかるよね)
 財津さん髭はやしたし、吉田さんあごひげだけ剃った。


'77. 6.29 '77 LIVE ACT TULIP TOUR

 '76のツアーでは私の地元は無視され一度も見る事ができませんでした。
 そんな私の耳にTULIPのコンサートの情報が飛び込んできたのが'77.4.21。
「6月29日に待望のTulipが来るのです!2月に来るっていうのは誤報だったけど今度こそは!もう、うれしくって、うれしくって、とても言葉では表せないくらいうれしくって「上田さんに会える!上田さんに会える!」って半分夢見ごこち早くなれ!6/29に。」高3の春の出来事です。
 三度当時の日記よりです。(^^ゞ
'77若い彼らだよ
 「もう何も言えない!苦しい!最高!もう何も手につかない!上田さん!世界で一番カッコイイ!Tulip万歳!ア、もう死んだっていい!!また見に行くぞぉ〜!」以上。(注:で終わってしまうわけじゃなのに初っ端に私はこう書いておりました。興奮しきっている。(^^ゞ)

 全体的にすごくのってたし、安部さんよく笑うの。上田さんもすっごいの最後のほうなんてすっごく体が揺れてて口開けたりすっごく楽しそう。ドラムのほうはいつ聞いてもすばらしい。表現なんてできないや。とにかくカッコイイの!姫野さんもシンセサイザーやってるとき体揺らしてたし、吉田さんも前のほうちょくちょくでていったし。財津さんもすっごく暴れてた。一番よく動いてたよ。わりと新しい曲が多かった。Openingも「夢中さ君に」から「私のアイドル」になったしね。まぁ曲はいる前にインストゥルメンタルがあったけど…安部さん初っ端からにくい事やるのよ。ギターと声を共鳴させるというかなんていうんかよくわかんないけど、あれがよかった。とにかく興奮しちゃってお腹いたいのも吹っ飛んで自分がわからなくなってる。残念なのは前から5番目ともなると視線があわないの。財津さんがオーケストラボックスに降りたときに(地元の会場にはステージと客席の間に「オーケストラボックス」という「濠」みたいなものがあったのです。)誰かが十字架のペンダントあげたのよ。それアンプかな、前にあったのに引っかけようとしたんだけど ひかからないの。そのうちに姫野さんに「君、気が利かないねぇ」なんて言ったら、姫野さんが出てきてそれを受け取って引っかけようとしたけどなかなか引っかからなくってサ、吉田さんの首に引っかけようとしたりして2人で一生懸命になってるの。そいで、何とか引っかけてた、根性!
 そうそう、財津さんのギターが光ったよ。赤と緑と黄色があった。きれいだったよぉ〜。
 ラストはいつもと同じで「青春の影」。幕が下りる前にかなり前へ出てきて、幕が下りるときみんな「キャ〜キャ〜」いって(私も一生懸命「上田さん」って叫んできたけど…)もう「アンコール!アンコール!」ってすっごいの。指笛吹いてるのもいたし…そしてアンコール「Get Back」&「夢中さ君に」立たなきゃ見えないから立っててを上でたたいてさ、クアトロのときみたいに(注:スージー・クアトロって知ってます??このライブの前に見に行ってたもんで)こんなすごいの初めて。もう、うれしくて何がなんだかわかんなくなって涙が出そうになってたっちゃん(前出我が友人)にしがみついてた。上田さん見てると苦しくて苦しくて気が遠くなってゆきそう!好きだ!好きだ!みんな(他の4人)も乗ってるし、いいとは思うんだけど、どうしても上田さんが一番素敵に見えてしょうがないの。とても言葉で書き尽くせるもんじゃない。他のすべての人にどんなに魅力があっても無心にドラムを叩いてる上田さんの魅力に勝てるものはないって言い切れる。それほどに上田さんはステキだったんだ!!!(注:当時の私、完全に壊れております。お恥ずかしい、ハイ…ま、今もたいして変わらんが…

 恒例、服装チェック。
 財津さん、柄のある半袖シャツに白のパンツ。ベルトしてなくて一生懸命あげてたっけ。吉田さん、肩のところが真っ赤で下は白の七分袖で広がってるやつに白のパンツ。安部さん、姫野さん真っ白。上田さん、黒か紺で前に白でロゴが書いてあるTシャツに白のパンツ。

 実はこのライブが私が「TULIPの上田さん」をみた最後のコンサートとなってしまいました。脱退の2年以上も前なのに…(;_;)