“上田雅利Solo LIVE Martinton 06 〜アコースティック編〜”

★ ネタバレBBSより


'06. 4.30 渋谷 公園通りクラシックス

“最初で最後”だったはずのソロから1年ちょっと。やっぱりやってくださいました。今度は前と違った形で・・・
上田さんのアコースティックスタイルのライブ・・・「???」一体どんな形で出てくるのだろう。「上田さんじゃアコースティックは合わない」(歌い方、声がアコースティック向きじゃないという意味)そう言いきった友人もいる。
前回ほとんどVocalに徹しておられたにもかかわらず歌詞カードがないとかなり不安な感じだったので“歌”と“ギター”しかないライブでそうだったら聴き所がない・・・正直そんな不安もあったりして・・・(^^;;;;
でも、やっぱり上田さんは上田さんだった!プロとしてはそれが当たり前の姿なんだけど前回ソロとは別人のように(笑)しっかりしたVocalを聞かせてくださいました。


「アコースティックだったらロックンロールで踊ることはないだろうし、ドラムセットで叩かれることもないだろう」そんな思いもあったので今回は気分的にこっそり片隅で・・・が私なりのコンセプトだったのです。
ところが開場待ちの間に中から聞こえてくるリハの音は「どこがアコースティック??」と思いたくなるような大きな音。ロックンロール@走れ!ムーン号(笑)「あらぁ〜〜タイコ叩くんだ。やっぱり上田さんのライブだ・・・」イントロのタイコの音だけで曲がわかってしまった自分もおかしかったり・・・
予定よりかなり遅れ気味でようやく開場。ステージを見るとぺんじゃっくでみた黄色のコンパクトなドラムセットが奥にそしてもう1セットほぼドラムセットに近い感じの“パーカッション・セット”(というのかなぁ・・・)まで。ちっともアコースティックライブをやる感じではないんだけど・・・

立ち見もあるとのコトだったのでだったら最初から隅っこで立っていたほうがと思いつつ会場に入ると端っこまでぎっしりの椅子。立っても邪魔になることはない一番壁際に座席をとる。(ステージも客席と同じフロアなこともあってセットに座ってしまわれると残念ながら前の方の頭で上田さんがほとんどさえぎられてしまう場所だったのはちょっと誤算。)

“ステージ”の隅っこについ立で囲まれたスペースがあったのでてっきりそこからの登場かと思いきやなんと客席のど真ん中を突っ切っての上田さんの登場にはびっくり。今回の衣装は白(オフホワイトというかアイボリーというかそんな感じ)と黒の太いストライプのジャケットに黒の前たての部分にフリル付シャツに赤いネクタイ。「気分はぶらり弾き語りの旅」とのことだったのでもっとラフなスタイルかもと思っていたんだけど全然違うぅ〜〜〜(^^;でも上田さんだからサマになる衣装。“スター”だと思う。
圭右さんがセッティングの間シーンとなってる客席に「雑談、雑談〜」なんておっしゃる上田さん。ちょっと照れくさい感じにも見えちゃったり。

そしてOpening。なんといきなりの♪早くおいで♪。前回あった大きなスケッチブックの姿はなく上田さんはスタンディングで“パット君@練習用のパット”を叩きながら。しかもR&B風というのだろうか、いつもの聞きなれたロックンロールではなくまったく違ったアレンジ。最初からやってくださいます。個人的に「走れ!ムーン号が全然違ったアレンジで出てくるといいな」と思っていただけに「あ、こんな感じ!」曲は違えども自分の期待通りなものが登場した嬉しさ〜〜「今日は違う!」始まる前に抱えていた一抹の不安が吹っ飛んだ瞬間〜〜この後もう1曲続いたんだったかMCだったのか忘れちゃいましたが・・・(^^;;♪早くおいでで叩いておられたパットは普段ツアーの際に練習用に持ち歩いておられるものだそうで「パット君、まさかこんなステージに登場させられるとは思ってもいなかったと思います」なんておっしゃってたりして・・・“ストレンジボトムスタイル”・・・今回のアコースティックライブの形式(??)をこう表現されてますがどんな感じになるのかやってみないとわからないし、どう受け取られるかわからない不安みたいなのもある御様子。なんておっしゃったかなぁ「いきあたりばったり的」な表現されたと思うけどそんな感じで今回のスタイルの説明されていたんだけどそれを聞いて圭右さん「え〜〜だったら最初からそう言おうよ〜“ストレンジボトムスタイル”なんていうから緊張するじゃない」みたいなことをおっしゃってました。
1,2曲やられて「パット君はこれだけの登場」ということで早々と“退場”。上田さんは前の方にセッティングされた“パーカッション・セット”の方へ。
フルのドラムセットだとモニタリングの関係でアコースティックなステージで音をとるのが難しいので(というようなことをおっしゃったと思うのですが)これは今回のツアーのために特別に注文されたものだそうです。以下本編はずっとこのセットを叩きながらのステージ。「慣れないので余計なとこを叩いてしまうぅ」なんておっしゃりながら・・・
曲順は覚えてませんが最初は♪Daddyはロックンロール中毒♪♪Break Out♪のようなロックンロールが続いた記憶が・・・圭右さんはずっとエレキギターでいつもと変わらない演奏だし・・・出ることはないかもと思っていたような曲がでて「二人でもロックンロールやれるのねぇ〜」と妙な感心をしていたりして・・・生ギターの伴奏をバックにしっとりとといった普通の(??)アコースティックのイメージは既に崩壊!(笑)
上田さんは「アコースティックだし楽勝」と思っていたけど真剣にやると暑い!と早々とジャケットを脱いでしまわれ既に汗がたくさん。小さなセットとはいえ見た目には普段のドラムセットと変わらない叩き方されてたもんねぇ〜〜

以下思いつくまま箇条書き
♪遠い未来♪エンディングのギターがカッコイイ〜〜ある意味アルバムのイメージどおりでちっとも2人だけでやってるとは思えない感じの音。意外でした。結局CDを聞いていてもドラムとVocalとギターの音しか追いかけてないのね〜
♪My, Soul Town♪今回も登場しました。この曲もイントロのリズムですぐにわかった自分が嬉しい。姫野さんが歌うCDバージョンよりこっちの方が好き・・・なんていうと怒られるか(^^;;;;
♪Silent Stage♪系図狩でも登場していた曲ですが系図狩のときよりもしっかり歌いこんでいる感じで今まで聞いた中では一番しっくりと来たVocalでした。(この曲結構曲に歌詞を乗せるのが難しいんですよ、自分で歌うと;;;;過去2回上田さん御本人が歌っているのを聞いても「あれ?」って感じが一番強い曲だったんでねぇ・・・)
♪迷路のランナー♪上田さんの曲の中では数少ない(?)もともとがアコースティックな感じの曲なのでやっぱり出たねぇ〜って感じでした。個人的にはアルバムではその後の♪ぼくら小説症候群(シンドローム)でのアコースティックギターのソロの音が大好きでそんな部分を期待してたんだけどこの曲もエレキだったような・・・あれ?アコースティックだったかなぁ・・・でもなんだか圭右さんの腕が発揮し切れてないようなもどかしさ〜〜〜
♪Because♪歌詞にでてくる“苦いミリオン”・・・湘南にあるあるお店で出していた(?)“ミリオン・ダラー”というカクテルのコトだそうです。上田さんの歌詞はわりと実話に基づいているものが多いらしくこの曲の背景も御自身の失恋の辛い気持ちを書かれたとか。当時きけなかったこんな話が聞けるのも時間が流れたせいでしょうか?ただね〜しっとりと昔の話をされたあとの圭右さんの台詞「あのね〜この“ミリオン君”ギターが大変なんです!」・・・この曲はアコースティックギターを弾いておられたのですがもともとのキーがAmなのに今回Gmでやられたそうでギター弾かれる方にはお分かりかと思いますがそのせいで単純なコードからハイコード多用になるので「指が痛い」と・・・あらぁ〜そんなのは素人だけかと思ったらプロでもそうなのねと親近感。でもせっかくの曲のイメージがぁ〜〜〜(笑)レコードではエンディングのソロを姫野さんが弾いておられてそれを圭右さんのギターで再現されるのを楽しみにしていたのですが残念ながらコードの繰り返しのアルペジオ部分(というのかなぁ)だったのでちょっとがっかり。あのソロのメロディーが聴きたい・・・・

たぶんこのあたりが前半の曲だったと思うのです。今回は休憩なしの1部構成スタイルで、途中圭右さんだけ休憩タイム。その間上田さん曰く「パット君ともう一人の友人が来てくれてます」ということで“カラ・オケゾー君”の登場。「新しいアルバムからやりたかったんだけどこの構成ではムリなので助っ人に頼ります」みたいな感じでスタンドマイクでの♪Magical・Musical Night♪いい感じで聞かせてくださいます。そしてこの後なんと上田さんがアコースティックギターを抱えます。会場からどよめき。たぶんほとんどの方がご覧になったことがないのだと思います。上田さんのギターを抱える姿。上田バンドの頃はたまにエレキギターを抱えて歌っておられたし、昔のビデオでアコギで歌っておられる映像は見たことはあるけれど生で上田さんのギターの音を聞きながらというのは私も初めて!感激〜〜弾き始めようとされて突然「ピックが欲しいなぁ」と上田さん。エレキ用の小さいのはあるけど(圭右さんが使用してるヤツ??)「大きいのがいい」・・・そんな台詞に思わずバックの中を探してしまったのは私。「確かTULIPのやつが入っていたはず・・・」と思ったけど「見つけて貸す気かい!??」と自分で突っ込みいれてやめました。(笑)スタッフの方がどこからか見つけてきてくださって続行。でてきたのは♪今夜〜の夜汽車で旅立ぁ〜つオレだよ、アテなどないけどどうにかなるさぁ〜〜・・・昔初めてギターを手にした中学の頃にいつも私が歌っていた曲。まさか上田さんも歌っておられたのかぁと妙に親近感!。そしてもう1曲。初めて人前で弾き語りで歌われた曲だそうで「暗いんですよー」と「なんでこんなくらい曲を選んだのかわからないんですが」みたいなお話。ワンコーラス歌われて間奏にはいるところでおしまい。「この後間奏もあるんですけどやりません。もしかしたらどこかでやるかもしれないけど・・・聞きたかったら名古屋も来て下さい」・・・知らない曲でした。(^^;;;;;

圭右さんが再登場して後半へ。後半でTULIPの曲が続いた記憶が・・・そんなわけで
♪思い出のフリスビー♪もしかしたらこの曲は前半ででてたかも。歌詞を間違えたことが気になってらしたみたいで(笑)やってみなきゃわからないところばかりでもうすでにいろいろ改善しなきゃいけないところも多々あってみたいなことおっしゃってて「今度は歌詞間違えないぞ!とか」とおっしゃったのがおかしかったです。「回を重ねるうちにもっとちゃんとしてくると思います」みたいなことも・・・ってそんなぁ〜〜
♪外へでちゃ危ないよ♪この曲を作った頃にミュンヘンオリンピックがあって選手村でおきたテロ事件をモチーフに、シャボン玉のような意味(私の記憶では小さな命のはかなさをシャボン玉で表現しているというような話を聞いた事があるんだけど)を持たせた童謡を作りたくて書いた歌詞なんだけど当時そんな話をしたけどだれもちゃんと聴いてくれなかったみたいなことをおっしゃっていました。確かにそんなお話を聞いたことはないなぁ・・・今になってこういう話を聞けるというのも不思議です。ただかわいいだけの曲だと思っていたけどこんな深い意味があったなんて・・・上田さんは当時からいろいろ考えておられたのだなぁと改めてその感性にひかれたりして・・・
♪たった一度のドライバー♪この曲まで出るとは正直思ってなかったのでちょっとびっくり。
♪Brown♪系図狩でやっても音が足りないって思うのに更に一人足りない・・・私には相変わらずインストライブを聞いている雰囲気になってしまうのは残念・・・(^^;
♪'66-あの頃の僕たちは♪前回ソロの時は2日目のあづまちゃんがゲストのときにだけ登場した曲だったけど今回は外れずに登場。最初から最後まで上田さんのVocalでというのがとにかく嬉しい。上田さんにはビートルズの武道館公演ですが私には再結成TULIPの武道館公演とダブらせて聞いてしまう曲。大好き・・・
♪STARS-大切な別れ−♪なんとはなしにひたって聞いていました。前の方の頭で上田さんが見えないのでずーっと右に頭を傾けてじーっと聞いていました。特にこみ上げてくるものがあったわけでもなく目頭が熱くなることもなかったのにつーっと頬に涙が伝わるのを感じて自分で驚いてしまいました。「え!?泣いてるの?私」こんなこともあるんだなぁ・・・涙をぬぐうこともなく身動きもできずに最後までそのまま。
♪Gratitude♪エンディング今回は最後にこの曲できたかぁ・・・

アンコール
♪走れ!ムーン号♪♪チープショット♪
ここで上田さんは初めて後ろに用意されていた黄色のドラムセットへ。たった二人でもロックンロール!「どこがアコースティックなんだぁ〜〜」のアンコール。楽器全然たりないはずなのにちっともそんなこと感じない。私には前回聞いた♪ムーン号よりもずーっとずっとこの日のムーン号の方が楽しかった。不思議だ・・・

アンコール2
♪オイサ♪ withカラ・オケゾー君
「これも二人じゃムリなので」・・・確かにイントロのピアノがないと違う曲なっちゃうもんねとか・・・上田さんは会場にオイサの掛け声を求めることもなく曲へ。客席はだれも声を掛けない。仕方ないのかなぁ・・・みんなでやった方が楽しめるのにとちょっと寂しい思い。ま、遠慮気味ではありましたが一人でやってましたけど(笑)一体感が欲しいじゃない〜〜これも迷惑になるのかなぁ・・・でもこの音量じゃ他の人には聞こえてないよね!?だったのでした。(^^;;;

いーっぱい不安を抱えて客席にいたけど終わってみればほんわか気分。系図狩とかのように無条件に楽しい〜〜というのとはまた違って不思議な感じ。「あ、きてよかったんだ。」私の好きな上田さんがそこにいた。何よりも嬉しかったのはカラオケのみで歌った♪Magical〜〜とギターだけの♪Gratitude以外は何かの形で“タイコ”を叩いておられたこと。なんていうのかなぁ・・・タイコを叩いておられる姿、タイコの音そのものが私がずっとずっと上田さんを追いかけてる“基”だから。それがあるから今も好き。なんだかそんな気持ちが想いが上田さんに通じているようなそんな嬉しさをくれたステージ。座ってしまわれるので姿は見えにくくなるのだけどでもやっぱり“歌って叩いてる上田さん”が私には一番!
私の前に座っていた小3、4年生くらいの男の子がいつもの私と同じように両手で膝を打ってリズムを取っていた姿がうれしかったりして〜「おばさんも同じだよー」なんてありがたくないな(笑)きっとおかあさんにつれてこられたんだと思うけどこんな感じでひきつけることが出来る上田さんのタイコはやっぱりすごいんだと思ったりして・・・
そしてメロディーを奏でる楽器はギター1本だからこそか上田さんの“タイコ”の音たちがよりメロディアスに聞こえてくる。音が少ないからこそ上田さんのドラムのすごさが際立って聞こえてるような・・・タイコもメロディー楽器・・・かもしれない。

MCの中にツアータイトルの話がありました。“マーチントン”かつてかまぼこ屋さんサイトにあった上田さんの講演会のお話を読んだことがある方には既知のお話だと思いますが・・・系図狩の時といい上田さんは最近よくお父様の話をされます。わかるはずのない上田さんのお気持ちを深読みしても仕方がないのだけど「なぜだろう」そう思います。昔TULIPを離れてからたくさんいたはずの“TULIPファン”にもその活動はほとんど知られずにこられた方です。ほんの数年前までは・・・でも今は違う。なんかそんな“今”をお父様に誇りたいのかな、見ていて欲しいのかな・・・なんだかちょっとそんなことを思ってしまうこのツアータイトル&ツアースタイルなのです。

#レポート中にでてくる曲順は決して演奏された順ではありませんので・・・便宜上こういう書き方を取らせていただきました。だからそのあたり「○○と曲順が違う〜〜」なんてのはなしです。・・・やってないはずの曲は書いてないと思いますが覚えてない曲もあるかもしれないです。(^^;