LIP 2006秋ツアー 〜Joy and Sorrow〜

もしかしたら“神様”は私をこれにいかせようとアテにしていたライブを全部「不可」にしてくれたのかもしれません。「行かないと損するぞ!」て。
大阪、福岡、名古屋と間近でみることができたLIPなのかもしれませんが、あえて品川のホールの後ろの片隅で見たことが私にはよかった気がします。本来の上田さんの姿を見ているようで・・・そして夢中だった70年代と夢のような'97の再結成の頃を行ったりきたりしているような初心を思い出させてくれるような不思議なライブでした。


'06.10. 8 品川ステラボール

ツアーとはいえ半分以上がライブハウスでの2ステージものだしどうも姫野さん、宮城さんと一緒だとロックンロールは似合わないような気がしてアコギにベースに簡単なパーカッションといった構成でどちらかというとアンプラグドに近いものでくるんだろうと思ってたんでそういう意味でもあまり気乗りのしていなかったLIVEでしたが、予想に反して感動モノでした。本当に行ってよかった!まさかねぇ〜あれだけちゃんとバンドの音でやるなんて〜3人だけど彼らがやりたかったのはもともとの音に忠実なライブ。しっかり“TULIP”。もしかしたら“TU"のお二人がいない分を補うところでよりLP(CDとは言いたくない!)の音を忠実に再現しているような風に聞こえました。

上田さんはたぶん音のバランスを考えてかツアーで使うのは日本初(らしい)V-Drumという聞いたことないのセットを使っておられました。そんなわけで最初のMCでV-Drumの紹介をしてくれた上田さんでした。誰かがネットで“シンセドラム”と言っていたのでAlways時代に薫さんが使ってたような(というかC-C-Bの笠ちゃんの方がわかりやすいか?)そんな音をイメージしていたのですがなんのなんのちゃんとアナログのタイコの音(だけどやっぱ上田さんの音じゃないんだよなぁ・・・)でもきっと音量調節しやすいんだろうな・・・なんてね。ライブハウスで普通のフルセットでやるときっと上田さんの音でかすぎてバランス悪くなると思うから。(あーーーあくまでも私の勝手な想像です。;;;)セットもでかくなっちゃうし。
んでバスドラもパットみたいになってるのでいつもはハイハットを踏む足しか見えないのが両方丸見えそんなことも新鮮。
ただ今“下半身”の奏法チェンジされてるということなんですがそのせいなのかそういう目でみるからなのか足全体の動きがシンプルになったというか無駄な動き(直接音を出すことに関係ない動き)が少なくなったような気がします。あたってたら褒めて!(笑)
生ドラムだとたとえばシンバル一つでも中央(軸に近いところ)たたいたり真ん中だったり端っこだったりかなり細かく叩き分けておられるんですけどV-Drumでもそういう調節までできちゃうんですかねぇ〜生ドラムと同じように叩く位置変えておられたように見えたんで〜そこまでできるんだったらすごいぞ!今の技術って。シンバルを指でぽんとたたいても“カーン”と音がするのには笑っちゃいましたが。

ホールで1日1回だけということもあって「今までやってなかった曲」もあったようです。そういうのが聞けたのもまたお得だったと思います。


開演5分前の会場アナウンス。“本日はLIPの公演にお越しくださいましてありがとうございます。”ってやつね「へぇ、珍しく男の人なんだ」と思った瞬間「え!??上田さんの声!」気がついてしまいました。たぶんこの段階ではまだ上田さんだと気がついた人は少なかったんだと思います。会場は何事もないかのようにざわざわ、ざわざわ・・・少しずつ「あれ?」っと思った人が増えたみたいで途中で姫野さんに変わったあたりでほぼ皆さん気がつかれたみたいで笑い声が・・・そして静かにアナウンスを聴く体制に・・・〆は宮城さん。なんとメンバー自らやってくださいました。こんなこともホールならではのサプライズでしょうか!?いきなり上田さんの声で始まってわたしゃ幸せ〜〜♪(笑)

ステージにスモークがたかれ始め客電も落ちメンバー登場。宮城さんは覚えてないけど姫野さんは今まで見たコトがないような濃いピンク@サテンっぽい(??)シャツ。ちょっと意外。上田さんはエンジのシャツに黒系のネクタイ。“表”は遠くから見ると黒一色のように見えるけどその後ろになる部分は白地に黒の“点々”になってる不思議なネクタイ。友人が言ってた「どこでそんなのみつけてくるんだよ!みたいなシャツにネクタイ多いよね〜〜」・・・否定できまっしぇん。;;;;;;
広いステージに3人が間をおいてスタンバイ。たった3人だけど大きなステージに負けない存在感。そんなものを感じてたりして・・・上田さんには大きなステージがよく似合う・・・改めて思う。

そしてオープニング。
♪あのバスを停めて
へぇ〜こんな曲から始まるんだ。
上田さんの“Stop!”の声が高い!上田さんが財津さんの代わり!?

♪走れ!ムーン号
いきなり出てきた!後のMCで「いつもはアンコールで1曲歌って終わりなんで2曲目から歌うと声が出ません!」っておっしゃってましたが。いえいえ、充分大きいです・・・声・・・(そんな問題じゃない!??・笑)

以下順不同。(^^;

♪千鳥橋渋滞
ライブハウスではやらなかった曲だそうです。「今までの2回回しとは違うので長めの構成になっている」ようなことを宮城さんがおっしゃってました。やっぱりホールに来て正解!淡々と響くバスドラのリズム、聞きなれたドラムのフレーズ。'74にはじめて聞いたあの会場にタイムスリップしたかのように・・・このまま“あのコーラのビン”の音も再現してくれるのかなぁなんて思っていたらエンディングは'97のリメイクバージョン。♪Long way〜〜のコーラスに一気に'97に引きもどされたようでちょっと複雑。3人のハモはうっとりするくらいにステキなのですが・・・でも、聞きたかった“コーラのビンの音”・・・(^^;

♪一本の傘
6年前のX'masディナーショーででて感激しましたが〜今回も登場。後から思い出すみたいな私〜(追記してます;;;;)

この後宮城さんの曲が続いたと思うのだけどすみません、曲は覚えてますがタイトル一致しません。私には'80代の回顧にはならずにいきなり'97まで飛んできてしまったような印象になったりして・・・上田さんと共にTULIPファン“早期退社”した私には・・・(^^;

♪あなたへのパスポート
上田さんの曲紹介のあとでやったのですが、この曲はあの伝説の雨の鈴蘭でやっていらい26年ぶりにやる曲なんだそうです。「伊藤薫君がボクの代わりに叩いてくれたんですけど」と上田さんの口から薫さんの名前がでてきたことがうれしかったり・・・上田さんのソロでもメドレーの中に登場して上田さん自身が歌っておられましたけどね〜今度はもちろん姫野さん。安部さんのVocal部分は宮城さんでした。やっぱりね〜〜どう考えても上田さんじゃぁ、違和感だろうなぁ〜〜(笑)
私の3,4列くらい左斜め前の方が一人スタンディングでノリノリで踊っておられた人がいらっしゃいましたが勇気あるなぁ・・・。

♪思い出のフリスビー
確かここ曲続きだったと思うんだけど・・・安部さんと上田さんコンビの曲つながりということで・・・7,8年前にGAR-YIZでやったのを聞いてからTULIPでもやったしソロでもやったのでもしかしたら一番よく聞いているかもしれません。
エンディングはTULIPのツアーバージョンに近かったのかな・・・ソロのタイコのフレーズとはやっぱり違う・・・

♪タイピスト♪たった一度のドライバー
上田さんのVocal,サラリーマンネタ続きということでしょうか?「すごくマイナーな曲です。」と上田さん前置きされてましたが〜
「上田さんはサラリーマンの曲が多いですよね」とよくいわれるそうです。幼稚園から高校までずっとエリートだったのに社会に出てから下降気味になった(??)ご友人がモデルになっているそう。「なんだかオレに似てる」見たいなこといわれて「お前だよ、お前!」と心の中で突っ込んでたそうですが・・・(^^;;
MCが長すぎてしまいには宮城さんに「上田さん、曲へ行こうよ」(みたいなこと)言われてしまった上田さんです。そのせいかカウントの最後吹き出しておられたように見えたんだけどなぁ。「そのまま叩けるの?」って一瞬思ったけどちゃんと曲に入りました。
♪タイピスト、TULIPの上田さんVocalの曲で一番好きな曲です。昔はもっと投げやりな歌い方されていたような気がするけどなぁ〜今日は歌い方が優しい・・・というかやっぱりオトナになったんだなぁという印象でした。;;;;;
そうそう曲の最後に残るタイプライターの音!こんな音でのエンディングまでLPと一緒!なんだかうれしい。
♪ドライバーはソロでもやっておられますがやっぱ、“フルバンド”で聞こえるのはうれしいです。

この2曲曲続きでそのままなのにギターを持ち替えかけてまた同じギターを持ってセッティングしなおした姫野さん。あとのMCで「間違えました」と自己申告(笑)
TULIPじゃぁすっかりアンコールの定番になっているせいか上田さんVocalでは唯一♪早くおいでだけ登場しませんでした。

♪博多っ子純情

♪なくした言葉

ほとんどドラムの出番はありませんが間の取り方が好き。叩いてないのに存在感を感じていたりします。この曲も'70にタイムスリップしながら聞いていました。3人のハーモニーがせつなく甘ーく聞こえてきます。さすがだ!

♪神様に感謝をしなければ

♪風見鶏
歌詞を間違えました。とここでも自己申告・・・(♪西に沈む太陽が〜の部分を歌いそうになって“西”まで歌って本来のところに戻った見たいな〜)

♪ROUTE134

宮城さんの曲は全部聞いたことあるし、歌詞も出てきたりするのにタイトルと結びつかない〜〜〜(^^;;;ROUT134だけです。一致したのは。
2期の曲ということで当然オリジナルは薫さんのドラムのはずなんだけどそこまで聞き込んでいない時代だったせいなのか結構いい感じで「あーこういうの好きだ!」って思う部分多々。聞いたことがない分上田さんのドラムがより新鮮に聞こえたのかもしれません。
TULIPの再結成ツアーの時には上田さんと半分ずつのメドレーでフルにやれなかった曲ですが今回はもちろんフルバージョン。前の方4,5列の人たちはスタンディングでしたがうしろは今ひとつ。「立てばよかったかな?」と思いつつ回りが静かなので座ってましたが・・・この曲の後「ステージも終盤で盛り上がって行きたい所」みたいに上田さんのMC・・・あーやっぱり立ってほしかったのかなと思ったりして・・・
そして盛り上がって行きたいので僕らも立ちます。と姫野さん。そこで宮城さんの「じゃぁ、上田さんも立って・・・」の言葉に「OK!」と言いながら立ち上がって「いちお付き合わないとね」とボケてくださる上田さんだったり〜〜上田さんが立っちゃ叩けないでしょ!とツッコミをこそっと一人でやっておりました。(^^;

どこでだったかなぁ、姫野さん“チュメール”でされていた「降れ降れ坊主」の話をされていました。話題のMさん(笑)が「普通はそんなことしませんよね!子供みたいだと思いません?」と返したら「そうです。子供ですもん」ときっぱりおっしゃった姫野さんでした。(笑)上田さんまで「あれは嬉しかったよね〜」と口を挟んでこられたのもおかしかったです。

「もぐりでも知ってくらいメジャーな曲」@上田さんの紹介で姫野Vocal定番の3曲。
♪僕がつくった愛のうた
「ボクは“スゥ”(息継ぎの音ね)でしか主張してませんが」と上田さん。♪Lovely Emily〜のバックに流れる“ピロピロピロ”みたいな音(わかる??)もしっかり聞こえてくるのがうれしかったり〜この曲に限らずだけど何かにつけてLPを聞き込んでいる人間にとってはもう懐かしい音がいっぱい。そんな部分を打ち込みで再現してくれてる。

♪銀の指環♪心の旅
ここで会場はオールスタンディング!そりゃそうだよね。会場の手拍子が揃っているのが気持ちいい〜〜でも前にドンと壁ができて上田さんどころかステージが見えない〜〜〜ちょっと腰をかがめていびつな格好でようやく上田さんの顔だけ見えるみたいな・・・(^^;

♪笑顔で
姫野さんの歌唱指導。最初「メンバーにお手本やってもらいます」と上田さんに振ったけどセッティングに忙しかったのか慌てて「え!オレ???宮城にして」とつれない上田さん。「じゃ、宮城」「え??」といいつつ♪どうぞ〜と歌い始めたのはいいけど途中で歌詞がわからなくなってハミングでごまかしていった宮城さん。「だめだなぁ〜〜全然練習にならない」と姫野さん。あらぁ〜〜〜(^^;;;打ち合わせにはなかったんでしょか??そんなわけで客席の皆さんでということで右側、真ん中、左側と分けて練習。「右側の人」といいながらステージから見て右と客席から見ての右じゃ逆になることに気がついて一瞬考えて「どっちでもいいや、とにかくこっちの人」と結局座席を指差していた姫野さんでした。
この曲でのエンディングはなかなかいい感じです。またまた’97のあのツアーを思い出してしまいました。
♪ラララララ〜〜のコーラスがかわいいのよね〜〜(笑)♪どうぞあなたの〜と歌いながらついついいつものくせで上田さんと一緒にコーラス部分を口ずさみたくなる私だったりします。(^^;

★ アンコール
♪夏色のおもいで
あのドラムは健在!この曲がアンコールか〜

♪明日の風
最初、1曲やりますとおっしゃったので「ほんとにアンコール1曲??」って思ったのですがしばらく客席に向かって手を振っていたメンバーが「じゃ、もう1曲」といって出てきたのがこれでした!♪ジャーン(出だしの音ね;;;;)でもう大感激〜〜〜でたぁ〜〜〜〜〜
あーやっぱりライブでやるのはこの曲が一番好きだぁ〜〜〜・・・ベース、キーボードは打ち込みですが圧巻のエンディングのツインギター!宮城さんがばっちり安部さんの代役をやってらっしゃいました。惜しむらくは上田さんのエンディングのツインギター前のあたりのシンバルの“決め”が中途半端になってしまうこと。アナログだと残音を手で押さえて止めちゃうのですが(そのしぐさがまたかっこいいんだけど、それがなかったのも残念!)デジタルはそれができないのか微妙に音が後を引いてる気が・・・でもオープンハイハットの部分は違和感なく聞こえてくるのはさすが最近のデジタル!ってところでしょうか??? フロアドラムの音あたりもいい感じでした。感動しましたです。
唯一スティックをくるっとやったのはこの曲だけだったと思うのです。しかも遠慮気味に一回しだけ〜「今日はないなぁ」って思ったからやっとでたぁ!と一人で喜んでいる私でした。
最後はおなじみスティックを放り投げておしまい!上田さんのシャツは背中が汗で色が変わっているのがわかったりして・・・
楽しい時間はあっという間に過ぎる・・・姫野さんもおっしゃってましたけど・・・終わって残る心地よさ。最高です!


座席は一番後ろからも右(ステージに向かって)からも3番目という隅っこの席。上田さん側とはいえステージの幅よりもさらに右になっている部分だったので「こりゃ、上田さんは見えても横顔かなぁ」と思ったのですが実際セットに座られると意外に斜めにまるで“道”ができてるようにさえぎるものもなくまっすぐに上田さんが見えるのです。姫野さん、宮城さんは人の頭でまったく見えないのに〜〜「なーんて私向けの席!」だったりして。しかも不思議とマイクに向かっていらっしゃる時以外はお顔がまっすぐこちらを向いていたりするのです。絶対にそんなことながいとわかりきってるくらいの距離なのにまるで見詰め合えてるみたいに錯角しちゃいそうな席。もう“ニッ!”とした笑顔が見えた日にはもう幸せでした。

どちらかというとTULIP続きということでクールな感じを装われるのかと思っていたのですが上田さんはほぼいつもどおりでした。ちょっとホール向けよそいきだったかな?(笑)暴走しかけたMCも楽しかったし。・・・「長くなりそうな予感が」と自分で言いながら「ボクに興味のない人とか長いからトイレへ行こうなんて思わないでね」とかそんな話をするから余計に話が長くなるみたいないつものパターン。そんな上田さんが好きです。(笑)
選曲も本来のTULIPの選曲よりも私好みに聞こえたのはやっぱり上田さんのVocalが多かったからでしょうか??(^^;これらの曲たちが本家TULIPで聞くことができないのならLIPはありだなぁと。もちろん財津さんのコーラスがない分、やっぱりちょっと違和感。でもほとんど上田さんが代わりを歌っておられたんで嬉しかったりもしたけど〜〜正直、「あ、財津さんの曲がなくてもいいや」って思ってる私もいたり・・・;;;;

“弾いている人がいないのにするベースの音とかキーボードの音”(by 上田さん)とのこともあってなんだろうと思うのですが上田さんのドラムも緊張気味だったような“堅かった”ような気がします。MCでも「東京だからかすごく緊張している。手が汗でべたべた」みたいなことをおっしゃっておられました。
計算されてカチッと決まった音のよさもありますが個人的には気分で微妙にぶれる(というか上田さんの場合は大概走り気味になる気が・・・;;;)“人”らしさやその時のノリで変わる雰囲気とか好きなもんで。そのあたりは3人しかいないので打ち込み使わなきゃいけない事情柄しょうがないですね。

冒頭にも書きましたが、V-Drum。すごいものができたものです。なんていっていいのかわからないけど“ドラムの音程”に関しては生の時と違和感のないメロディラインなんだけどやっぱり音色がというか音の切れみたいなものも含めてなのかやっぱり“これなのよね!”という上田さんの音にはなっていないように聞こえるのはちょっと残念。ホールだから生でもよかったんだろうけどなぁ・・・と思うんだけど、贅沢か!?(^^;;;;

そんなわけで思い出すままLIP@品川つれづれレポはおしまいです。もしかしたら抜けてる曲もあると思いますけど・・・雰囲気が伝われば幸い、幸い。